あにみずむちゃん振り返り1 -展示のテーマについて-
2017.11.12 Sunday
アニミズム(animism)とは
生物、無機物を問わず
この世のすべてのものにいのちが宿るとする思想のことです。
強大な自然や私たちを育む食べ物だけでなく
割れた茶碗や貧乏神など
一見大したことのないもの、害を成すものにも
意志を感じ、恐れ、敬い、感謝をするそのこころは
頼りないようで実はとても強いもののように感じられます。
私がもっとも好きなアニミズムは
「金霊」という富をもたらす精霊で、
いいことをしたとかその人の人格とかに関係なく
ふいに訪れる僥倖を表します。
ある一線を越えた物事は 良くも悪くもコントロールできません。
今回の展示では
すべてを尊び畏れる心を かわいくおかしく、刺繍しました。
一生懸命に生きても 報われないことはあるけれど
生きることもいのちも とってもうつくしい。
私にとってアニミズムは
精霊信仰と表現されるよりもっと身近な・・・
おばあちゃんの知恵袋的にいとおしいものです。
あにみずむちゃん序文
ずっとしたかった個展の振り返り〜!
していきたいと思いますっ!
普段はかわいいものを制作させてもらう仕事が多いのですが、私の制作のベースには、アニミズムの思想がある気がします。
どんなかわいいものを作っても、その裏にある歴史や表に出て来ないことが気になります。
見えるものの中に見えないものがあるのではないかと目を凝らしている感じです。
今回の展示には、4つの柱がありました。
①日本のかわいい刺繍図鑑 原画展示
②追儺会(ついなえ)
③妖怪と日本の神
④人体と子宮
これをまるっとひとくくりに、動物も植物も有機物も無機物も、すべてにいのち(=人格)を感じるアニミズムの感性と捉えて会場を作らせてもらいました。
個展が終わってからも色々な〆切が続き、刺繍ワークショップや先延ばしにしてもらっていた約束、パーティや糸ネマと息つく間もなく過ごしていました。
このままでは楽しかった個展の記憶も少しづつ薄れてしまいそう…!
ゆっくりになるかと思いますが、作品に込めた思いや意味を綴っていきたいと思っています。
お付き合い頂けましたらうれしいです。